ぽまいら〜08301111111111 作:ハナクソ☆ホジッタ

「……」
 シンキは己の前にある大きな机を見る。
 それは君主が使用することを許される一級品のもの。
「先の戦いで古参であるコウを打倒したお前を国民全員が君主として認めている。それも快くだ」
 シンキは今、古参を打倒し、世界に新たな風を吹かせるシンボルとなっている。
 その影響力は強く、右を向けと言えば多くの人間が右を向くほど。
 しかしそんな現状をシンキは重く受け止める。
「間違えられないな……」
 己の判断力がいかほどのものなのか。
 それはわかりようがない。
 故に間違った判断をすることは許されず、国民や期待する者の思いを背負って正しき道を往かなければならない。
「臆するな。それで足踏みしていても仕方がないだろう」
「……ああ」
「お前はコウとの戦いで他者と対等に協力することを覚えたんだ。奴のような結末にはならない」
「そうだな」
 コウの敗因は他者を手駒としてしか見なかったこと。
 しかし将官達にはそれぞれの思いがあり、全てを叶えられないにしても向き合う必要がある。
 故にシンキは他者の言葉に耳を傾けることに妥協しない。
 ただ、その重責に耐えられるほど成熟した身ではなかった。
 故に右へ左へ、ふらふらとしながらもなんとか君主を務めている。
「俺は君主なんだ。みんなを引っ張っていく存在」
「そうだ。だから自信を持て。そして止まることなく進み続けろ」
 リタの励ましを受けてシンキはぐっと手を握り、拳を作る。
 己の中に在る力を確かめるように。
 己に何ができるのかを確かめるように。
「挫けてなんていられない、な」
 今一度自信を取り戻し、シンキは前を向く。
 思いを馳せて、新たな王はまた進みだす。


 そんなこの物語の題名(タイトル)は、『シンキング新規』。


 何故って?
 そりゃあ 『thinkingした新規』 が 『新キングになった新規』 になったからさ。


Blind Justice Ver2.71
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