ぽまいら～08291111111111 作:ﾊﾅｸｿ☆ﾎｼﾞｯﾀ

「ふう……」
　ｼﾚｼﾞｱ王国、執務室にてシンキはため息をついた。
「おい、休憩はまだ先だぞ。仕事を進めろ」
　叱責するように話すのは策士を担うリタだった。
「そんなにかっかしないでもいいだろう」
「時間がないのがまだわかっていないのか？」
「それはわかってるけど」
　シンキは机上にある書類を見つめて言う。
「このｼﾚｼﾞｱ王国は統一国になったとはいえまだまだ新興国だ。人材の呼び込みは必須といっていい」
「だから登用のための呼び込みをしなきゃいけない、だろ？　わかってるって」
「わかってるなら早く仕事をすすめろといっているんだ」
　シンキがｶﾅﾝ王国に進軍し統一を果たした後のこと。
　ｶﾅﾝ王国を除く他国はみながそれに歓喜した。
　最強の国となったｶﾅﾝ王国が打倒されることはもう二度とないと考えられていたから。
　しかしそんなｶﾅﾝ王国を打ち破り、覇権を握ったｼﾚｼﾞｱ王国は大陸全土に希望を与えた。
「古参の圧政がより強まると未来を諦めていた他国の将官達は活気づいている。前年は協力関係にあったが今年からはどうなるかわからない」
「ああ」
「俺達はもう追われる側なんだ。そして突き放す側でもある」
　リタは他国の活気を見て、国のさらなる強化を目指そうと進言した。
　その内容自体は間違っていなかったため、シンキも二つ返事で了解。
　だがその後に始まったリタの仕事へのせっつきが激しく、シンキはうんざりしていた。
「ああ、わかったわかった！」
「わかっていない様子だからこれだけいうんだ。何よりお前はもうこの国の絶対的な君主なんだぞ」