ぽまいら～082711 作:ﾊﾅｸｿ☆ﾎｼﾞｯﾀ

「やめろ。言葉を発するな。願うな。思考するな！」
　コウはその光景を見て冷や汗を流す。
　何故ならその光は統一者に降り注ぐ神の光だったから。
「統一者に与えられる権利。この行使が統一戦の集結を意味する。そうだな？」
「うるさいっ！　お前ごときに許される権利ではない！　お前のような弱者に、新参者にそれは……」
「……そうだな。俺は新参者だ」
「は？」
「そして居場所を作るために戦い、そして統一を目指す。やってることはあんたと同じ。だろ？」
「なんだ。何が言いたい」
「気づいたんだ。俺もあんたもやってることも考えてることも同じなんだなって」
　シンキは進軍している間にふと思った。
　この戦いの末にあるものとは一体何なのか、と。
「俺達の戦いの先にあるのは我の顕現。己の中に在る想いを実現することにあるんだ」
　シンキは最強の国を作り、己の居場所を求めた。
　コウは最強の国を作り、古の居場所を求めた。
　どちらも同じ。
「俺もあんたもただのわがまま野郎だってことだ」
「違う。俺はお前とは、お前のような新参者とは積み上げてきたものが……」
「そうだ。そこだけが違う。だからあんたはこの戦いに負けた」
「なんだと」
「積み上げてきたものがあったから、自分を過信したんだ。他人を駒のようにしか考えないその横柄さが思いの数を減らしたんだ」
「思い……だと」
「そうさ。俺達新参者はみんなそれぞれの思いを抱えてる」
　新参者たちはまだ固執するものを持たない。
　だからこそバラバラで統一感もなく、己を出して煙たがられることも多い。