ぽまいら〜08241 作:ハナクソ☆ホジッタ
「冷気が、消えたっ! ……なっ!?」
冷気が消え、ものが見えるようになってコウは気づく。
今どこにいるのか。
「ここは、城内……」
その身はカナン王国城内の玉座の間にあった。
「な、なんだ。幻術か? いや、だがそんな技があるなんて聞いたことは……」
古参の知識をもってしても今いる状況を説明することができない。
技による幻術だとしても、シンキの顔面寸前まで伸びた足が当たっていておかしくない。
ただ、その感触さえないことにコウは疑問を感じた。
「どうして、確かに俺はあの新参者を屠ったはずなのに」
己の身を見返してコウは訝しむ。
すると、
「伝令! 国外から謎の勢力が進軍してきました!」
「なんだと!?」
玉座の間に飛び込んできた兵士から進軍の知らせが届く。
「掲げている旗を見る限りシレジア王国の軍勢のようですが……」
「まさか、時を戻したとでもいうのか!」
コウはシンキの進軍を思い返し、デジャヴを感じた。
「この進軍を許すとシレジア王国が統一国力に到達する可能性が高いようですっ」