ぽまいら～0821111111111 作:ﾊﾅｸｿ☆ﾎｼﾞｯﾀ

　シンキは強がってみせたものの、ダメージは著しかった。
　あと数度くらえば、間違いなく絶命してしまうほどの業火。
「さすがは古参ってところか……でもっ」
　シンキは魔導書を開き、呪文を唱える。
「負けるわけにはいかないんだよっ！　千鳥！」
　呪文に合わせてシンキの眼前から雷光が放たれる。
「っ……」
　その威力に痺れ、コウは歯を噛み締めてこめかみを隆起させる。
「小癪な。炎殺裂波！」
「づおっ！」
　返しに放たれた熱風でシンキの全身は焼けただれる。
　ところどころ皮膚がはがれてしまったその痛々しい様相を見て古参は笑む。
「ふっ、もう終わりにしてやろう」
「なに？」
「宣言してやる。次に繰り出すのは炎系最大の技ｵｰﾊﾞｰﾄﾞｰｽﾞだ。反動こそあれ、これ以上の技は無い。つまりそれほどの威力だということ」
「くっ……」
「雷系の技に今の体力差を覆せるほどの技はあるまい。すなわちお前の負けだ」
「いや、まだ決着はついていない」
「ふん。死ななければわからない愚か者め！　くらえ、ｵｰﾊﾞｰﾄﾞｰｽﾞ！」
　コウは激しく燃え盛る太陽のような球体を頭上に顕現し、腕を一振り。
　炎の球体はシンキに向かって降り注いだ。